ブラジル留学からポルトガル語医療通訳者になるまでの道のり

ブラジル留学と聞いて、読者の皆さんはどういう印象を受けるだろうか?
良く言われるのは、サッカー留学である。
サッカー王国ブラジルだけに、留学体験を話す時はほぼ必ずこの質問が真っ先に飛んでくる。
はじめに言っておくが、私はサッカー経験は全くない。フットサルをちょっとかじった程度だ。
私がブラジル留学を決めたのは、ポルトガル語通訳となるために、もっとポルトガル語をスキルアップしたかったからである。

しかし、やはり環境の変化に慣れるには時間がかかり、何度か体調を崩して病院にかかった。
その時の経験が、医療通訳を目指す転機になったことは間違いない。
いつものように病院に行き、先生の診察を受けていた時、先生がこんなことを言ってきた。

「君は日常会話がまだ全然できないのに、何で医療用語はそんなにスラスラ出てくるの?」と。

留学する1年前から、私は大学で医療分野のポルトガル語や医療通訳についての講義を受けていた。
しかし、当然私以外に受講生はおらず、先生と一対一の授業であった。
だからこそ、知識も十分に定着させる事ができていた。
そしてこの瞬間、私が勉強してきたものはこれからも絶対に役に立つと確信したのである。

帰国してから、私は県が推進する医療通訳養成講座を受け、見事通訳として認定を受けた。
自分自身がもっと成長し、活躍するためには、自分から医療現場に飛び込んで行くしかないと思い、就職活動も病院、クリニック等幅広く行った。
そして、今の職場に就職し、事務職兼通訳として働いている。
医療通訳養成講座では、通訳スキルの他に、基本的な医療制度や介護制度についても勉強するため、医療事務に必要な最低限の知識も持ち合わせていたのが幸いだった。
もちろん先生や同僚から、ブラジル人の患者さんの通訳やその他の対応を任されることも多い。
そのお陰で、患者さんも私の顔を覚えてくださり、来院される度に話しかけてくださるようにもなった。
留学で確信した事が今現実となり、私の毎日は最高に充実している。

これから留学する人たちへ、私がアドバンスしたいことはたった1つである。
それは、あなたの留学には、あなたの人生を180°変える転機が必ず訪れることを知っておくことである。
厄介な事に、その転機は何の前触れもなく突然やってくる。
そのため、それに気づかないまま留学を終えてしまう人もいる。
もし、あの時病院の先生が私にあの言葉をかけていなければ、私は今きっと別の道を歩いていたに違いない。
自分に強く訴えてくる何かを感じた瞬間から、あなたの人生はどんどん変わっていくだろう。